幼馴染が集まったバンドが前身です
― 自己紹介とUPPON with Little Farmersの結成ヒストリーをお聞かせ下さい。
ギター、ヴォーカルのワタクシUPPON、ジャンベのHombi、スライドギターやバンジョーなど雰囲気モノを担当しているYassyの3人が正式なUPPON with Little Farmersメンバーです。Liveになるとサポートメンバーが数人増えたりするユニットです。
結成に関しては、とても長い付き合いなんですが、Hombiと僕は小学校からの同級生で、大学生の頃からファンキーソイソースって言うロックバンドを組んでいまして、都内のLiveハウスで活動していました。社会人になってからも続けていたんですが、僕が静岡に転勤になっちゃって、そこで一人で弾き語りをしているときに知り合ったのが、静岡の大学生だったYassyです。そこでは一緒に何かをやるということはなかったんですけど、ちょうど僕が東京に帰ってくるのと同じタイミングで、Yassyが東京に就職したんですけど、都会の水が合わなくて、鎌倉に呼んでこっちで暮らすようになり、そこから弾き語りを中心としたユニットを結成して、カフェやストリートでLiveを始めました。UPPON with Little Farmers自体は2007年の終わり頃から始めた感じですね。ロックバンドもまだ続けてはいるんですけどね。
― バンド活動はどれ位の頻度で?お仕事と両立というところで苦労されている事は?
大体月に一度位かな。でも、夏は色んなイベントとかも多いですし、活動は増えていますね。苦労しているのは、本当に「時間」ですね。スケジュールを合わせるのがかなり大変です。3人揃わない時もあるし、場合によっては僕が一人でやる事もありますね。Hombiはガーデンデザイナーなので比較的自由が利くし、僕も店があるので定休日に活動するって感じになっています。Yassyは勤めていて土日休みなんですが、僕が休めないのでその点で調整が難しい時がありますね。リハーサルも週一で出来たらいいんですけど、なかなか難しいです。


地元のものを楽しむから、『地産地聴』
― 『地産地聴』を提唱されているという事ですが、どういった内容なのでしょう?
提唱というほど凄いものではないんです。誤解しないで頂きたいのですが、湘南や鎌倉って色んな方に「良い所だ」という風に言ってもらいとても嬉しいんですが、そういうブランド的なところが定着してしまっていると思うんです。鎌倉も湘南も観光地や避暑地という以外にお金持ちばかりが住んでいる訳ではないですし、普通の暮らしをしている人達も当たり前にいるんです。庶民的な所も沢山あるんですね。僕も父は九州出身でたまたま鎌倉に移って来ていて、代々の鎌倉にある家ではないですしね。『地産地聴』っていうのは、身の回りにある事に目を向けてみたら、面白い事が絶対にあるんじゃないかってのが一番言いたくて、「鎌倉や湘南が良い」とかそういう事じゃなんです。どこに行ってもその土地にしかないものってあると思うし、どこに居ても自分がそこで楽しめればそれが一番幸せだと思うので、自分も静岡に居る時は静岡でそういうものを見つけてましたね。だから、鎌倉に拘っている訳ではなく、東京にはビルがあって山梨には山があって鎌倉には海がある訳で、あるものを表現したりそういう事が言いたいんです。『地産地聴』は、その土地その土地で個性的な色を持った音楽が出来れば素敵だなって思うんです。自分も聴きたいですしね。僕はたまたま鎌倉だったって事なんです。
― 広がりは見せていますか?
この事に関して演説(笑)なんてしている訳ではなくて、心の中で思っている事なんですけど自分のLiveスタイルとか行動とかに現れているみたいで、色んな人が集まってくれたり、同じような行動を取ってくれたりする人が増えているので、共通しているところはあるんじゃないですかね。

“ステイタス”より“スタイル”それが基本
― では、アンケートから。“UPPON”はいつからついた名前ですか?
コレは長いですよ。小学生の頃からです。「ポンブーム」がありまして、タケポン・イノポン・ウッポンっていたんです。本名はウチボリなので「ウッポン」っていうのはちょっと無理矢理だよね(笑)。でも、後々考えるとタイの国王みたいで良いなって思っています(笑)(※タイの元首はプミポン国王)。しかもUPPONだから「アップオン」みたいで上向きな感じしません??本当は静岡の頃にボリーニョとかってラテン風にも呼ばれていた事もあるんだけど、でもやっぱりUPPONがいいなって思っています!
― 音楽を始めたきっかけは「中学生の時にバンドに誘われて」とありますが。
友達のタケポンとリュウタが「バンドを始めるから一緒にやろう」って言い出したんですよ。その時に誘われたのが、僕とHombiとブチくん(※現在のサポートメンバーの一人)で、発起人の2人がギターだったのでベースとドラムしか残ってなくて、本当はギターが良かったんですけど、鎌倉の教会で少年合唱団に入っていたので「ボーカルやってよ」って話になったんです。(記者「少年合唱団があるんですか?」)はい、今でもあるんですよ。少年合唱団って日本では結構珍しくて、僕が在団をしている時にはイタリアに演奏旅行に行ってローマ法王にお会いした事もあるんです。その時に学んだ発声は今でも生きているって思っています。讃美歌を歌ってんたんですけど、バンドをやってみたら、B’zから始まり時代はメタルやハードロックやっててガンズ・アンド・ローゼズとかシャウトする感じの歌ばかりで全く違う世界だったんですよ。その頃“ワル”に憧れていて…ヤンキーじゃなくて凄く可愛かったんですけど。長谷(※鎌倉市の地名)にロサンゼルスクラブっていうライブハウスがあって、そこでドラッグと酒とセックスみたいな話をするんですよ、話をするだけ(笑)。近くに駄菓子屋があって、そこで“うまい棒”とか“よっちゃんいか”とかケミカルな物を買ってきて、ツーブロックにバンダナをして下に何も着ないでネルシャツを羽織って地べたに座りながらイカと齧って麻薬の話をしてました(笑)。駄菓子をドラッグって呼んでいましたからね(笑)。で、それが終わると「じゃーねー」って家に帰るんです(笑)。高校は藤沢で鎌倉からは少し離れた所に通っていたんですけど、当時から「ここに居ちゃまずい!」みたいな“遠くに行きたい願望”があったんだけど、地元でも活動しているし離れたいけど離れたくない…って感じ、高校は藤沢だったし大学は吉祥寺まで行っていましたし、静岡もそうだし。結局戻ってきちゃうんだけど、外から客観的に見たいっていう気持ちがあるんですよね。ここ最近はずっと鎌倉なのでちょっとウズウズしています。ギターは高校で軽音部に入ってちょこちょこ始めたんです。(記者:「中学の時のバンドはそれまで?」)いやそれが今でも…(記者:「それがファンキーソイソース?」)はい、だから芸暦は長いんですよ(笑)。最初は「Pain」って名前だったんですけど、ツーブロックにバンダナ、破けたジーンズにロックみたいな“イタイ”バンドでした(笑)。ロールオーバーは大学生の時です。オリジナルロックで渋谷のeggmanとか下北の屋根裏とかでやってました。ちょっと真面目にやっていたんですよ。
― 音楽で生計を立てるとかは考えませんでしたか?
そういう流れもちょっとはあったんですけど、リュウタや俺などフロントでやっているのが「いや、就職でしょう」って考えだったので、そうはならなかったですね。昔から“ステイタスよりスタイル”っていう考えだったんですよね。今思えば、この辺りに住んでいる人ってこういう考え方の人が多いなって思うんですけど、ずっと続けたいけどそれはステイタスではなくずっと続けていける環境を作りたいっていうところですね。それは今でも変わらないですね。
― 初めて買ったCDは「永井真理子」。どの曲だったか覚えていませんか?
なんだったかなぁ…。とにかく、永井真理子だった事は覚えています。姉が2人いるんですけど、昭和のちゃぶ台家庭だったので皆揃ってTVを観るのが普通で、日本の80年代ポップスとかを見ていたし、そういうポップ感って大人になってからアメリカのルーツミュージックとかやっていても、昭和歌謡の心があるのでJ-POPも違和感なく聴けるんですよねー。爆風スランプとか大江千里とか聖子ちゃんを借りてきて聴いてましたね。永井真理子は歌じゃなくてボーイッシュな人が好きだったのでビジュアルです(笑)。
― 最初に演奏したのはB’zの『Easy Come, Easy Go!』とありますが…。
タケポンがB’zを好きでやろうっていうのでやりました。この曲だけで何時間もスタジオ借りて練習しましたよ。そのスタジオがとっても良いスタジオで、海沿いの2階にあったんですけど一面が窓になっていて海がドーンと見える所だったんです。凄くパノラマが良くてスタジオに何時間も篭ってたった一曲だけ練習しました。(記者:「発表の場は?」)なかったです(笑)
Little Farmersの所以はメンバーの二人です
― 通常は自分とメンバーを動物に例えて…と言う質問をしているのですが、今回はUPPONさんのリクエストで植物になりました。Hombiさんが空豆でYassyさんが枝豆、ご自身は分からないとの事ですが…。
Little Farmersなので植物って思ったんですけど、Hombiは顔の形が空豆みたいにちょっとしゃくれててそっくりなんです。Yassyは丸い感じ。大豆でもOKです。で、自分なんですけど、コレが難しい。二人はすぐに思いついたんですけどね…。(記者:「UPPONさんは小動物系じゃないですか?」)それはよく言われます。トッポジージョとかねずみ系ですよね…あっ、そうだ!じゃあ、げっ歯類にしましょう!マウスってどうですか?豆類とマウスだから何か合ってますよね(笑)。ラットじゃなくてマウスでお願いします(笑)
― 自分で思う可愛いところ、「ずんぐりむっくりした体型」?
これもとても難しい問題ですよ。(※この項目、最後まで悩んでいて書けなかった)悩んだんですけど、何でもユーモアのあるものっていいじゃないですか。音楽だってそうだけど、ちょっと面白い方がいいかなって。ユーモアは大事です。だから僕の体型もそれ(笑)。
― 最近感動した事、「Tom FreundのLiveを観た事」。
縁あって誘って頂いたんですけど、この近くのLiveカフェに来るって言うので観に行ったんです。本当に小さい所なんですけど、有名な外国の方が良くいらっしゃるんですよ。それこそテーブル一つ挟んだ位の距離でLiveを観ました。アコースティックで凄かったんですよ。自分もアコースティックでやっていて限界って言うかそういうのを感じる事があったんですけど、彼のLiveはそれを遥かに超えていて感動しました。こんな近くで凄いものを見せて頂いて感謝しています。翌日にはフジロックに出ていました。本当にいい経験させてもらいました。
― 今ハマっている事は「釣り」。
佐藤嘉風くん(※当サイトにて紹介済・湘南を代表するアーティスト)に誘われたのが初めてで、つい最近なんですけど海釣りをやったんですよ。彼は釣りが大好きなんで教えてもらって、釣った魚を捌いて食べて…。翌日にもう一回一人で行ったんですけど、嘉風くんに電話したら来てくれて一緒にやったんですよ。道具とかも買って…。でも、それ以来やっていません(笑)。なんか釣りっていいですよね。僕の場合は釣れなくてもいいかなって。何もしない時間を「釣りをしている」という事で正当化してくれる感じがして(笑)。(記者「釣れなくてもいいんですか?」)はい、構いません。でも、美味しい魚が釣れたら嬉しいですけどね(笑)。
― 湘南でお勧めのポイントは「今日のコース」とありますが、今日は写真撮影で色んな場所へ連れて行って頂きました。どこもオススメポイント?
そうです。この近くだったら今日行ったウチの店(※cobakaba)→鎌倉市場→石川屋酒店→八雲神社はこの辺りの生活が溢れていて“日常”っていうところがお勧めです。ぜひ、皆さんにも立ち寄って頂きたいです。石川屋酒店ではマイコップを持って行くと300円で生ビールが飲めます(笑)。



是非!(記者:「cobakaba」は街の食堂なんですよね?)そうです。特別なものじゃなくて家で食べるような家庭料理をお出ししていて、毎日でも来て頂けるようメニューを考えています。外からいらっしゃるお客さんも多いんですけど、地元の方に来て頂きたくてやっていますね。
― アジアスターで知っているのは「チャン・ドンゴン」と「ジャッキー・チェン」と「ユン・ピョウ」。
チャン・ドンゴンは(音の)響きが大好きです。映画は観た事ないです(笑)なんか(言葉の)リズムも良いし、歌詞に使いたい感じ(笑)。ジャッキー・チェンは小さい頃から映画を観ていました。食堂とかで乱闘したりするシーンとかめちゃめちゃ好きで、なんかドタバタした感じがユーモラスで楽しいですよね。あとは浅いようで深い内容かな。女の子のお尻触っちゃおうかな~みたいなシーンもあれば泣かされるシーンもあり…。ジャンルが違うけど、タイムボカンとかちょっと浅めのB級な感じが好きです。
― アジアで行ってみたいのは「台湾の屋台」。食べるのがお好きですか?
屋台とかそういう日常的な場所が大好きですね。タイに出掛けた時もずっと屋台でご飯食べていました。僕何でも食べられるんですよ。それこそゴキブリみたいなゲテモノとかでも平気ですね。何でも食べます。台湾は屋台だけに行って中継地として、バリとかにも行ってみたいですね。香港とかでも屋台とか美味しいものを食べたいです。香港へは一回行った事があるんですけど、夜景が綺麗な所あるじゃないですか。そこに行って夜景を見ていたら大きな看板に「ぢ」って書いてあって、それだけ覚えています。

“丘サーフミュージック”にはユーモアが肝心
― 丘サーフミュージックと言うジャンル、これはどういったものでしょう?
遊びです(笑)。これもジャッキー・チェンの映画と同じで浅くて深い感じ。サーフミュージックとカフェミュージックのあいのこって感じかな?海と陸の間っていうか。カフェって丘中の丘ですよね、思いっきりインドアですし。僕もサーフィンやってるんですけど丘サーフミュージックだからってサーフィンやっちゃダメって言われても困るし、逆にサーフィンやってない人がサーフミュージックを作っている事もあるし。サーフミュージックって完全に海側から見ている音楽だって思うんですよ。でも、ここに住んでいると、“丘から見る海”と“海から見る丘”っていうのがあって、どちらかと言うと僕は“丘から見る海”側だなって思うんです。もう、本当はどっちでもいいんですけどね。そして、やっぱりはずせないのが“暮らし”って言うキーワードなんですけど、そう言いながらも、まだまだハッキリしてないところがあって、そのグレーっていうかモヤがかかっているところが“丘系”なんですよ。きっと(笑)。どれでもなくて、どれもあるそういう中庸的なところですね。
― サーフムービーに曲が抜擢されたとお伺いしましたが。
そうなんですよ。『VELVET ヴェルヴェット~サーフィン・ジャーニー・イン・ニュージーランド:モア2~』(09年・渡部祐司監督)と言う映画です。my spaceで募集していたのを見つけてCittaくん(※ボサノヴァを奏でる湘南アーティスト、Beginnerのサウンドプロデュースも務めている)と一緒に応募したんです。そうしたら僕と彼が受かったんで、さぞ応募者が少ないのかと思ったら、そうでもなかったらしくmy spaceからは3組通った内の2人なんですよ。僕の曲は、アルバム『Beginner』の一曲目『雨上がり』で、これは八雲神社で録音したんです。当時、八雲神社の隣のアパートに住んでいて、雨上がりに鳥のさえずりが聞こえてきたんで「コレは面白いかも」と思って、ギターと録音機を持って外に出て神社で録音したんです。自分では良いとずっと思っていたんだけど、なかなか世に出す機会がなかったので、今回アルバムにイントロ的な感じで入れたんだけど、それが映画に使われたんですよ。
― 最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
僕達はたまたま鎌倉という地で音楽をやっていますが、きっと皆さんの街にもいい音楽があると思うんです。僕はそこに行ってそういう音楽を沢山聴きたいし、もし鎌倉や湘南に遊びに来ることがあったら、自分の音楽も聴いてもらえたら嬉しいと想います。

気さくなUPPON氏の話は聞いていて「ナルホド」と思う事ばかり。「“暮らし”を表現する」という考えも当たり前なのかもしれないけど、言葉にされると新鮮に思えた。新しいものを見つける為に外に目を向ける事も必要だとは思うが、身近なものに目を向けてみると意外に沢山の新しいものが見つかるのかもしれない。
是非、読者の皆さんもあなたの街で、また身近なものに目を向けて新しいものを探してみて下さい。そして、一度“丘系”を体感しに鎌倉においで下さい。UPPON氏のお店cobakabaの食事は、お茶やスイーツ等、全てお手製で美味!是非こちらにも寄ってみて下さい!

 

鎌倉の日常を切り取ったUPPON with Little Farmersの音楽は
こちらで試聴可!http://www.myspace.com/uppon
“丘サーフミュージック”のトータルサイト?はこちらhttp://oka-surfmusic.com/

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